こまだこまのロバの耳ブログ

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サッカー観戦のたしなみ

知り合いにチケットをもらったので、キリンカップの日本対シリア戦を観に行った。初めてのサッカー観戦だ。

私の席は2階で、向い側のゴール裏の席に日本の応援団がたくさんいるのが見える。横断幕、大きく振られる国旗、鳴り響く太鼓の音、まとまった声援。おお、テレビで観たやつだ、と少し興奮する。

 

 

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下を見ると、こちら側は応援団は少ないようだ。ちょうどゴール裏のどまんなか、いちばん前の席に拡声器を手にした若いお兄ちゃんが立っている。ときどき観客席に向かって「ニッポン!」と叫び、それに応じて観客たちも「ニッポン!」と叫ぶ。なるほど、このお兄ちゃんは観客を扇動し統制する役割なのか。

 

試合は前半0対0で終了。

後半に入って、シリアが先制した。会場中に落胆の叫びと、沈んだ空気が一瞬にしてひろがる。私もあ~あ、となっていると、向いの応援団が選手と観客を鼓舞するようにすかさず太鼓を鳴らし、声を張り上げた。なんというすばらしいタイミング。それにすぐさま観客も応じ、さっきまでよりも大きな声援がひろがる。

 

と、下にいる拡声器のお兄ちゃんが気になった。前半からいままでずっと、「ニッポン!」しか言ってない。今もそうだ。拡声器を使っているわりには声もさほど大きくない。どうも観客をうまくあおれていない。ニッポン一辺倒なのもよくないが、タイミングもいまいち外しているような気がする。

 

それにしてもこの応援団のなかのヒエラルキーというのはどうやって決まっていくのだろうか。このお兄ちゃんはまだ若そうなので、まだワールドカップは早い、まずはキリンカップあたりで経験をつまそう、ということなのか。もしくは誰かの代打で急きょここに立たされているということもありえる。そういえば、青いユニフォームを着ていない。普通のパーカーと短パンだ。しかし代打を頼まれるような人がユニフォームを持っていないということなどあるだろうか?

 

私がいろいろと思いをめぐらせているあいだもお兄ちゃんは相変わらず、タイミングのずれたニッポン一辺倒である。向かい側にはそもそも応援団の数が多いということもあるが、扇動がうまい人がいるのだろう、向こうの盛り上がりがこっちの方まで流れてきているのを感じる。日本が1点返したあとはむしろ、観客主導でお兄ちゃん後追い、的な空気になっている。拡声器から聞こえる「ニッポン!」がかなしい。

 

このあと応援団の反省会とかあるのだろうか。

団長「松本、どうだった今日は?」

松本(仮名、以下略)「…………全然ダメだったっす」

団長「まぁ初めてなんてみんなあんなもんだから、あんまり気にすんなよ」

松本「せっかくチャンスもらったのにこんなんじゃみんなに申し訳なくて……」

副団長「てかお前さ、ユニフォーム忘れるってどういうつもりなんだよ!?」

松本「それはほんとすいません!!紙袋に入れて会社のロッカーに置いてたら池田が間                

違えてそれを…」

副団長「言い訳はいいよもう!忘れたことを怒ってんじゃねえんだよ!忘れたら買えばいいだろ!?お前たるんでんじゃないのか!?」

団長「まぁまぁ、もう終わったことだから。それくらいにしてやんなよ。松本も反省してるんだから、なぁ松本?」

松本「団長…………」

団長「ま、てことで次からはやっぱり山崎くんに任せよう。松本くんはしばらくお休み

だな」

松本「…………!!」

 

とかいうやりとりが居酒屋で行われたりしてるんだろうか。大丈夫か松本。

試合は結局1対1の引き分けで、なんだか不完全燃焼な感じで終わったが、松本は不完全燃焼どころではないだろう。日本選手よりも、松本のほうが敗北感を感じて帰路についたのではないかと想像する。