こまだこまのロバの耳ブログ

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ナスD「部族アース」おもしろいけど、『部族』という呼称は適切?

今、ある本を読んでいるんですが、そこに書いてあることにハッとしました。

そこには、

「部族」と「民族」と「氏族」の違い が書かれていました。

 わたしの好きな高野さんの新著です。

この本からの引用を交えながら、要約したいと思います。

 

そもそもナスDって何?って人はこちら。 

komadakoma.hatenablog.com

 

 

部族

英語の tribe の和訳。 現在国際的には tribe の使用は学問の世界でもジャーナリズムでも減ってきている。

理由は、tribe はアジア、アフリカ、南米など、欧米から見て「遅れている」という地域でしか使われないから。

差別用語に類する語という認識が強まっている。

 

民族                          

同じ言語と同じ文化を共有する人々を ethnic group(エスニック・グループ)と呼ぶ。著者の考えでは、日本語で「民族」でよいとのこと。

 

氏族

同じ言語と文化を共有する民族のなかの、さらに明確なグループ。

文化人類学では clan(氏族)と呼ばれ、「同じ先祖を共有する(あるいはそのように信じている)血縁集団」

日本で言うと、源氏や平氏、北条氏、武田氏、みたいなもの。

源氏と平氏の戦いを、「部族間抗争」とは言いませんよね。

 

日本のメディアやジャーナリストはいまだに tribe の訳語である「部族」なる語を使い続け、民族と氏族の両方にあててしまう。そこに誤解や混乱が起きる。

 

なるほど…。

このあたりのことについて、正直ちゃんと考えたことありませんでした!

この本のこれらの箇所を読んでから、「部族アース」を観るたびに、気になってしかたがありません。

「民族アース」が正解なのでは!?

ナレーションもナスDもみんな普通に部族部族って言ってるけど。

わたしも知らなかったから言ってたけど。

 

 

わたしたちが「部族」という言葉を使うとき、「森の奥に住む原始的な生活をしている人たち」みたいなものをぼんやりとイメージしている人って多いんじゃないでしょうか。

だからこそ、そいういう人たちが見れますよ、って意味での「部族アース」という命名なんでしょうきっと。

 

先週の日曜日の放送ではまさに、わたしたちのそういうイメージを「演じて」旅行者に見せることでお金を儲ける『部族』の人たちが出ていて、したたかでたくましくて、笑ってしまいました。

 

 

「部族」という言葉は、日本にはなかった概念を、英語を和訳することで差別意識までいっしょに輸入してしまい、定着してしまったということなんでしょう。

そして今や、輸入元の人たちは使わないようにしようとしているのに、日本ではこの言葉について考える機会をもたないまま、無意識に使ってしまっている。

この「部族アース」という番組でまたさらに定着しちゃったんだろうな…と思います。

 

 

いつも「考え」があって「言葉」がうまれるというわけじゃない。

わたしたちが気づかないうちに、「言葉」が「考え」に影響をおよぼしていることもあるんだなって気づいた出来事でした。

 

 

もっと敏感にならなければ…。

 

 

 


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