こまだこまのロバの耳ブログ

旅行と生活。ときどき読書。だいたい酒。

偶然なのか痴女なのか、今そこにある危機

男性と女性で、立ちはだかる危機は異なる。

 

train

彼氏が家に帰ってくるなり、今日めちゃくちゃ怖いことがあったから聞いてくれと言ってきた。

要約すると、こんな話。

 

朝の満員電車で、10代後半の女性が真正面から入ってきて、

後ろから押されるいきおいもあって向かい合わせでくっつく格好になり、

結果、その子の胸が彼氏の腕に密着した。

ギュウギュウづめなので瞬間的に体を動かすことができず、

数秒間、胸があたりっぱなしになった。

その数秒のうちに自分がおかれた危機的状況を悟り、

無理やり体の向きを変えて、なんとか胸の密着を回避することができた。

もしも判断が数秒遅れ、その子に痴漢と認識されていたら、

自分は痴漢にさせられたかもしれない。

恐かった。

 

と。

 

「その状況ならしょうがないんじゃないの?」

と言ってみたが、彼は納得せず。

 

「胸があたってることなんてその子もわかってるでしょ。

そのままにしてたってことは、激コミだからしょうがないと思ってるか、痴女かどっちかなんじゃないの?」

と冗談めかして言ってみたが、

「どっちにしたって、痴漢だと認識された時点でこっちの負けで、ほんとに怖かったんだよ」

と、マジでおびえていた。

 

自分がいかに危機的状況におちいったのかを、車内での状況を必死に実演して伝えようとするようすに、わたしは思わず笑ってしまった。

でも彼はいたって真剣だ。

 

確かに、彼にしてみたらそうなのだろう。

男性側は、実際に痴漢行為をしてもしていなくても、

痴漢と「認識」された時点で、なんらかの対処を求められる。

相手の女性への対応、駅員さんや警察への対応、あるいはホームからの逃走。

最悪の場合、裁判沙汰になって一生を棒に振ることもある(冤罪でも)。

 

満員電車に乗る女性は、少なからず痴漢にあったことがある人が多いのではと思う。

わたしもある。

でも、わたしは次の日も電車に乗るけれど(時間は変えるかもしれないけど)、

痴漢だと認識された場合の彼は、次の日からどうなるのかわからない。

 

わたしがこの話を適当に流そうとしても、彼は話すのをやめようとしなかった。

何もなかったことの安堵感を、誰かに聞いてもらいたかったのだろう。

 

おっぱいが腕に密着したという数秒間のできごと。

それが間違いなく彼にとって、人生の危機だったのだ。

 

 

結局何もなかったわけだし、

わたしは彼が必死に熱演すればするほど笑ってしまったのだけど、

人によって立ちはだかる危機は全然違うのだなあと、あらためて認識した出来事なのでした。

 

 

 


にほんブログ村