こまだこまのロバの耳ブログ

旅行と生活。ときどき読書。だいたい酒。

「風邪でも、絶対に休めないあなたへ。」に「風邪をうつされると迷惑だから休め」とつっこむ人はどんな人か

喫煙者も風邪をひいている人もただの「迷惑な人」なのか

先日ツイッターでこんなのが流れてきて驚いた。

わたしはこの広告自体は通勤途中の電車のなかで見たのだが、そのときに思ったのは

「いやいや、休ませてくれよ……」だった。

体調がいちじるしくすぐれないときは休む。休ませる。それがふつーじゃん…と。

以前の職場で40度近い熱があるにもかかわらず出勤させられて本当につらかったことが思い出され、こんな広告やめてくれよ、と思ったのを覚えている。

 

そしてこのツイートにわたしが驚いたのは、「風邪をうつされたら迷惑だから休め」というその視点だ。

あくまで「わたし」の、「わたしたち」の迷惑になるから休め。

心配しているのは風邪をひいている人でも、風邪をひいた人が休めないような状況でもない。何より自分の健康が損なわれるリスクを一番に考えている、その視点に驚いた。

 

しばらくして、あ、この感じはあれと同じだ、と気がついた。

www.komadakoma.com

この記事でふれた、禁煙ファシズムの人と同じだ。 

「身体の私的所有」という感覚。

彼らにとって自分の身体は共同体から切り離されたもので、

「完全に自分だけの領土であり資本である自分の身体が他人によって『損なわれる』ことは許せないことだし、あってはならないことだ」

と考えている。

 

だから、受動喫煙も風邪の人が自分の近くにいるのも許せない。

自分が健康被害という「損」をするかもしれないから。

 

彼らは、べつの場面においては、自分が喫煙者であったり風邪をひいている側の立場に立つことだってある、ということを想定しない。

そんな想定をしていたら、相手に対してそうそう厳しいことは言えないはずだ。だってそれってブーメランだから。

自分の身体は自分だけのもの、という考え方は誰もしあわせにしない

自分の身体を共同体から切り離して、100%自分だけのものだから、自分の思い通りになってしかるべきだという考え方は、誰もしあわせにしない。

そもそもそんなことは物理的に無理なのだし、その無理を通そうとすると他人を拒絶したり、場合によっては攻撃的にまでなったりする。

そしてそういう人たちが増えると他人に対して不寛容な社会になって、それは結局、「自分の身体は自分だけのもの」だと考えているその人自身をも苦しめることになる。

 

不寛容という名の大きなブーメラン。 

つまるところ、彼らが拒絶したり攻撃したりしようとしているのは自分自身ということになるわけで……。

なんか悲しいですね。

 

 

……それにしても、このツイートは内田樹さんがリツイートしていたのだけど、どういうことなんだろう。この方けっこう妙なのをリツイートされますね。

この本は何年前に読んだのだったか。いいタイトル。