こまだこまのロバの耳ブログ

旅行と生活。ときどき読書。だいたい酒。

2018年4月に読んだ本

今月も読書量が少ない

f:id:komadakoma:20180521122742j:plain写真は中国の桂林です。

4月の下旬から中国旅行に行くという予定があったので、中国関係の本をちらほら読みました。

と言っても、たった3冊だけ……。

今月も読書量の少ない1か月になってしまいました。

①『エヴリシング・フロウズ』津村記久子

先月からの流れで、続けて津村記久子さんの本。 「おしごと小説」のイメージがある津村さんですがこれは中学生たちの話ということで、どうかな~と思っていましたが、圧倒的におもしろかったです。疑ってごめんなさい。

 

本を閉じて他のことをしているあいだにも、大土居がどうなっちゃうんだろう、とか、ヒロシはどうするんだろう、とか、本の中の世界のことが気になるという感覚はひさしぶりでした。

 

相変わらず、ハッとするような名文があるのも津村さんの本の魅力です。

何にしろ、完全な生活はない。むしろ、変なことばっかりでも、何とかやっていくやつは少ないものでやっていく。そのことをべつに誇りもせず。

 かっこいい、かつ救われるような文章。

 

野末は、弟を家から放り出して友達と暮らしたい、とよく言っていた。それは、二人の弟のうち、すぐ下だったりいちばん下だったり、両方だったりした。彼らとは一緒にいても何も楽しいと思わないのに、ずっと同じ家にいなければならず、学校の友達とは期限付きで引き離される。野末の立場に立って考えると、確かに理不尽なことのような気がしてくる。

こういう感覚って大人は忘れちゃってるもののような気がします。

もうそれはそういうものとしてとっくに諦めたり受け入れたりしてしまっているから。

そういう感情をすくいとってくるのがすごい。

 

ヒロシは、自分が他人から知った口を聞かれたくない分、他人にもそう振舞わなければいけないと強固に思っていて、たとえば自分が野末に「大土居最近どうなん?」と尋ねることは、すでに知った口の範疇であると見なしていた。

何が、どうなん?やねん、とヒロシは、やってもいない自分の行動に対して嫌悪感を持つ。

クラスの中では全く目立たないヒロシですが、なかなかに魅力的な主人公です。

 

その他の登場人物もそれぞれとても魅力的で、中学生という年頃ならではの息苦しさとか単純さとか複雑さとか、空気感がリアルに感じられるいい作品でした。

②『高齢者風俗嬢 女はいくつまで性を売れるのか』中山美里

60代、70代、最年長は82歳の風俗嬢など、高齢者のセックスワーカーにこの仕事についた経緯や仕事のようす、お金の事情や現在の暮らしについてなどを聞いてまとめたもの。

 

たとえば、

Kさんが性的にはじけたのは還暦を過ぎてからのことだった。それは、50歳で夫に先立たれてから10年後の60歳のときに、10歳年下の彼氏ができたことがきっかけだった。

こういう話にはなんかわくわくするものがあるというか、ほんと人間最後まで何があるかわからんなぁ、というか。 

KさんはAV撮影のため、20代の男優さんと伊豆の温泉でいたした、という話をとても楽しそうに話していて、はぁ~~~、と感心してしまいます。

 

この他にも、セックスワークを楽しむ超熟女の方たちが何人も出てくるんですが、読んでいて気になったのはこの著者の姿勢。

著者はセックスワークやその従事者に対して、肯定的な面ばかりを強調しているように見えます。

こういう考え方は批判を受けるかもしれないが、パートで月10万円程度を稼ぎ、ひとり親世帯向けの児童手当を満額で受け取り、公営住宅で暮らし、「貧困だ」「社会が弱者を見捨てている」と訴える女性よりも、風俗やAVなどで体を張って稼いでの方がいる女性の方が、私にとっては断然好感が持てる。 

この手の記述が、文中にちょこちょこ顔を出します。

とりあえず著者は、体を張るリスクについても正しく伝えた方がいいんじゃないんじゃないでしょうか。

③『習近平が隠す本当は世界3位の中国経済』上念司

初めて中国に旅行に行くということで、読んでみました。

中国がいかにデータを改竄し、GDPや失業率などさまざまな統計を偽って自分を大きく見せているか、ということがひたすら書かれている本。

読み物としては特におもしろくなかったかな…。

④『シルクロードおもしろ商人スクラップ』浜井幸子

中国・新疆ウイグル自治区の、カシュガルのバザールで働く路上商人たちの姿を、たくさんの写真やイラストに彼らへのインタビューをそえてとても丁寧に紹介していて、読み応えたっぷり。

何十人にもおよぶインタビューを読んでいると、彼らの暮らしぶりや社会のようすがだんだんとたちあがってきます。

 

これは2005年に発行された本ですが、この時点ですでに著者は、シルクロードの再開発がすすみ、古い町並みが壊されていくことや、そのために路上商人が姿を消していくことを憂いています。

 

それから13年たった今、シルクロードはどうなっているんだろう……と思わずにいられません。

「ひまわりの種売り」「鍋修理テープ売り」「体重測定屋」「靴の中敷き売り」「ストッキング売り」……

彼らは、今どんな暮らしをしてるんだろう……?

 

ウイグル族の人たちや彼らの暮らしに、一気に興味が湧いてくるとてもいい本でした。

いつか行きたいなーウイグル。

⑤『中国人の胃袋 日中食文化考』張競

上海生まれで、日本で大学教授を長くつとめている著者が、中国と日本の食文化についてそれぞれ比較しながらつづるエッセイ集。

わたしが初めての中国旅行に行くまえに読んだんですが、 「日本人は中国をひとつのイメージとして捉えようとする」という指摘には深く納得。

わたしもそうだったんだなぁ、ということを、実際に中国に言ってみて強く感じました。

 

中国と一口に言っても、とにかく広くて人口が多い、そしていろんな民族が住んでいます。

それをひとつのイメージで捉えるなんて無理な話ですよねそりゃあ。

 

わたしが旅行で行ったのは、広西チワン族自治区というベトナムに近い西の方だったんですが、街と人から受ける印象がわたしが「中国」に対して持っていたイメージとは全然違っていて、まぁでもそりゃそうだよな、当たり前だよな、と。

自分の考えの狭さを反省しました。

 

日本では紹興酒を飲むときに砂糖を入れるというのが「中国式」として広まってるみたいですが、実際中国では入れないそうです。

自家製の紹興酒を友人などにあげるときに、「もしまずかったらお砂糖入れて飲んでね(うちのはおいしいからその必要はないと思うけど)」

と礼儀としてお酒に砂糖を添えて送っていたのが、日本ではそれをそのまま受け取って砂糖入れちゃったってことみたいです。

 

こういう間違った伝わり方っていろいろありそう。

まとめ

4月は下旬から中国旅行をしていたというのもありますが…それにしても読書量が少ない。

集中力のなさは5月になった今も続いていて、やばいですねぇ。

歳をとるごとに、本を読むときの集中力と持続力がなくなってきている気がします。

どうにかならんものか。