こまだこまのロバの耳ブログ

旅行と生活。ときどき読書。だいたい酒。

2018年5月に読んだ本

荻窪の本屋さん「Title」に行ってみた

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ツイッターがきっかけで知った「Title」という本屋さんに行ってみました。

荻窪駅から徒歩10分。

こっちの方まで歩いてきたことないなぁ……こっちでほんとに道合ってる?

って思った頃に本屋さんは現れました。

www.title-books.com

 

入ってみると想像していたよりも売り場面積が狭かったんですが、置いてある本のチョイスがわたし好みというか、ひとつひとつじっくり見ていきたくなるような棚だったので、しずかにテンションがあがりました。

 

これだけ限定された売り場だと、なんだか本を選んだ人の頭のなかをのぞいているような気分になります。

 

売り場の奥には小さなカフェスペースがあって、そこもいい感じ。

2階はギャラリーになっていて、わたしが行ったときは今日マチ子さんの絵が展示されていました。

 

街の本屋さんがどんどんつぶれていくなかで、2016年にオープンした『Title』

これから生き残っていく本屋さんっていうのはこういう本屋さんなのかもなぁ、と思いました。

今月読んだ本は、こちらで買った本も含め5冊でした。

今月も少ないな……。

 

①『世界のことば アイウエオ』黒田龍之助

わたしの好きなノンフィクション作家の高野秀行さんが解説を書かれているということで、ツイッターに流れてきたので買ってみました。

 

100の言語について、それぞれ見開き2ページで書かれた気軽に読めるエッセイ集です。

ときどき言語学の専門用語などが出てきて「?」となることもありますが、著者の広くて深い知識と、語学オタクっぷりは読んでいてうらやましくなります。

 

わたしの友人にも語学オタクがいて、会うたびにいつも違う言語の参考書を持ち歩いているのでいったいこいつは何か国語話せるんだ?と思いますが、かといって海外に頻繁に行くわけでもないのが不思議でした。

 

でも黒田龍之助さん、高野秀行さん、二人の語学オタクの話を読んでいると、それもなんとなくわかるような気がしました。

語学学習は、実際に使うことがもちろん一番の喜びだとは思いますが、いろんな言語の成り立ちや体系などを知ることで世界の見え方がまた違ったふうになって、そういうのも大きな楽しみのひとつなんだなぁと思います。

 

わたいは英語すらまともに話せないので、語学オタクのお二人が本当にうらやましい……わたしも何かマイナーな語学やって勉強してみたい……と思いました。

②『間違う力』高野秀行

ということで、今度は高野秀行さんの本。

「破天荒なノンフィクション作家の人生訓10箇条!」という帯がついています。

 

未確認生物をまじめに探しに行ったり、アヘン栽培の現場に潜入して自身もアヘン中毒になったり、ゲリラのお世話になりながら西南シルクロードを旅したり、

たしかに破天荒な高野さん。

 

本書の「はじめに」で、編集者の方の高野さん評がいきなり本質をついていて笑えます。

「高野さんの本は、文章がどうのとか構成がどうのとかいう以前に、『初手から間違っている』というのが特徴です。ただ、あまりに高野さんが真剣に間違った方向に進んでいくので、だんだん読者は何が正しいのか間違っているのかわからなくなり、読み終わったあとではちょっと世界が変わって見えるというのが醍醐味なんです」

たしかに、ほんとこれ。

この編集者さんはかなりデキる方だとお見受けしました。

 

本書での高野さんの主張をめちゃくちゃざっくり言うと、

「とにかくやれ!!そしてやり続けろ!!」

ってことだと思います。

 

どんなにダメでもやらない人よりやった人のほうがえらい!

そしてやり続ければ奇跡が起こる可能性もあがる!

そして「何をやるか」については、正しさよりも面白いかどうかで決める!

 

10箇条の後半ちょっと迷走しているところなども含めて、とても高野さんらしい1冊です。

③『のはなし さん』伊集院光

『のはなし に』までは読んだなぁそういえば……と思いながら。

伊集院光があいうえお順にタイトルを考えて、そのテーマでエッセイを書いていくというこの本、出たのもうこんな前なんだぁ……としみじみしました。

 

本文中にも「人気者のオセロの中島」とか出てきて、時代を感じます。

オセロの中島って今何してるんだろう。

ナンシー関さんのコラムなんかもそうですが、その文章が書かれたリアルタイムで読むのが楽しいのはもちろん、時を経て、文中からそのときの時代の空気や作者の若さを感じるのも楽しいです。

 

17歳から25歳まで円楽一門にいた伊集院光。

5代目三遊亭円楽が亡くなったときのエピソードは、なんとも言えない苦みや切なさがあってよかったです。

④『乱読のセレンディピティ』外山滋比古

「セレンディピティ」とは、何かを探しているときに、探しているものとは別のすばらしいものを偶然に見つけること。

それは、自分の興味の範囲外の本まで乱読することによって得られる、という内容です。

では「乱読」とは?

風のごとく、さわやかに読んでこそ、本はおもしろい意味を打ち明ける。

本は風のごとく読むのがよい。

 

乱読はジャンルにとらわれない。なんでもおもしろそうなものに飛びつく。先週はモンテーニュを読んでいたがちょっと途中で脱線、今週は寺田寅彦を読んでいる。来週は『枕草子』を開いてみようと考えて心おどらせる、といったのが乱読である。

 

一冊の本にじっくり取り組むということができず、同時進行で何冊も違う本に手を出すのが常態化しているわたしとしては、なんとも心強い言葉です。

たしかに乱読していると、全く畑違いの分野の本の内容がどこか響き合っているのを発見して、驚いたり嬉しくなったりすることがたまにあります。

 

先に紹介した本『間違う力』の高野秀行さんの主張ともどこか通ずるような……

高野さんも外山さんも言っているのは、

とにかくバッターボックスに立つ回数を増やせば奇跡が起こる確率はあがる!

ってことですね。(ちがうか?)

 

乱読して自分の興味の範囲外の本にも数多くあたれば「セレンディピティ」は起こる!

 

胸を張って乱読していこうと思います。

⑤『人間をお休みしてヤギになってみた結果』トーマス・トウェイツ

ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)」で大反響を呼んで以降、パッとしない日々を送っていた著者。

そんな日々に悩み疲れた彼が、人間を休んでヤギになればこの悩みから解放されるのでは……と思いつき、それを実行に移してみたという内容です。

(ちなみにわたしは前作は読んでません。)

 

タイトルから想像していたのとは違って、ヤギになってみた結果よりも、著者がどうやってヤギになるのか?ということに ページのほとんどが割かれています。

シャーマン、脳科学者、ヤギの保護施設の人、義足を作る人……

著者はいろんな人を訪ねて教えをこうんですが、それぞれの人との対話の中に興味深いテーマがいくつもあっておもしろいです。

 

そして紆余曲折をへてなんとか無事?どうにかヤギになることができた著者は、スイスのヤギ農場へ行き、そこでたくさんのヤギに混ざって長い道を移動したり草を食んだりします。

 

が、そこんところの描写はほんとに短い。

ヤギ農場に滞在したのも3日だけで、ちょっと肩透かしをくらった感じでした。

写真は確かにすごいんだけど。

なんだか、壮大なフリのわりにオチがちゃんとしてないというか……。

 

タイトルの日本語訳もよくないですね。

原題は「Goat Man /How I Took a Holiday from Being Human」

これをなんで、変なブログタイトルみたいに訳しちゃったんだろうと思います。

というか本文の訳も、ほんとにこの訳し方で大丈夫なの??と、心配になるようなさむい文章。原文もほんとにこんな感じなんでしょうか……。

 

著者の試み自体は、またしても先に紹介した『間違う力』の高野秀行さんと同じ匂いがして好きです。

『間違う力』で、

『初手から間違っている』というのが特徴です。ただ、あまりに高野さんが真剣に間違った方向に進んでいくので、だんだん読者は何が正しいのか間違っているのかわからなくなり、読み終わったあとではちょっと世界が変わって見えるというのが醍醐味なんです」

とありましたが、それに通ずるものがあります。

それがたとえ「間違った」試みだとしても、とにかくやってみる!

ってことは大事ですね。

著者はこの本でイグ・ノーベル賞を受賞されたということですし。

まとめ

荻窪の本屋さん『Title』は小さいながらもいい本屋さんだったので、ときどきまとめ買いしに行こうと思います。

本はネットで買うのも電子書籍もいいいんですが、本棚に並べられた本をパラパラと手にとって見る、買った本を帰りの喫茶店で読む、という流れも読書の楽しみのひとつだし。

 

本格的に夏が来るまえに、梅雨時こそ読書のチャンスです。