くら~~~~いむえ~~~~ぶりまうんて~~~~~~~ん♪
の出だしでおなじみ(?)の歌。
映画『サウンドオブミュージック』の中で歌われる「Climb every mountain」。
確か中学生のときに、音楽の授業で歌った。そのときはメロディーがきれいだなとは思っていたものの、すべての山に登れ、という歌詞については特に何も考えていなかった。そして大人になっても、思い出すことはなかった。
だが以前マレーシアに旅行に行ったある日、まあまあな金額をぼったくられてとぼとぼと宿に帰ろうと歩いていたそのとき、この歌が20年の時を越えて、急に脳内で再生されはじめたのだ。
Sound of Music – Climb every mountain
なぜ、普段口ずさんだこともないこの歌がいきなり出てきたのか、わけがわからない。
そもそも出だしの、くらいむえぶりまうんてん~、の後の歌詞はほぼ記憶に無い。あとは全部フフフフフ~ンかタリラリラ~で対応だ。
それでもこの歌はなぜかしばらく脳内で再生され続けた。それがなぜなのか最初はわからなかったが、歌っているうちに気がついた。
肝は、「すべての山に登れ」という歌詞だったのだ。というかそれしか歌詞を覚えていないので肝も何もないわけだが、この部分こそがそのときの私を励ましてくれたのだった。
ぼったくられたという事実はショックだが、それもまた一つの「山」だとすると、私は山を登ったのだ。ただそれだけだ。いいことも悪いことも、すべては同じ「山」、あまたある山の一つを私は登ったに過ぎないのだ……。おお神よ……。
と、そのときの私はこの歌を解釈した。そしてどうにかショックを薄めることに成功した。
どんなささいな記憶が人を救うかわからない。
それ以来ずっと、何かつらいことや嫌なことがあるとこの歌が脳内に自動再生されることになったが、できれば登りたくない山もある。
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