新橋のホームレスとリヴァプールのホームレス

つぶやくにしては長い話
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いろいろとあって、また新橋に通うことになった。

そしてわたしが新橋駅から出てすぐに確認したのは、SL口の出口のところに居をかまえているホームレスの人の姿だった。

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新橋のホームレス、ユパ様

新橋駅周辺にはホームレスの人が何人かいるが、わたしが確認したその人は、よくSL口のところに座っていること、そしてその風体も印象的なことから、これを読んでいる人のなかにも知っている人は多いんじゃないかと思う。

見た目は『風の谷のナウシカ』のユパ様風。

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白くて長いあごひげに、帽子をかぶった小柄な男性だ。

夕方前からひとり缶チューハイの氷結を飲んで、SL広場を歩く人たちをながめていたりする。

さして汚れているような感じもせず、その飄々としたたたずまいには、悲壮感が無い。

なんせしょっちゅう氷結が飲めるくらいなのだから、多少の余裕も感じられる。

以前わたしは彼を見かけるたびに、心のなかで「仙人」と呼んでいたが、はたして仙人はご無事であった。

今日も氷結を飲んでおられる。

8か月ぶりにその姿を確認して、「おひさしぶりです」と話しかけたいような気分になったけれど、いままでに話したことなど一度もないので、心のなかだけで言うにとどめた。

SL広場前のセブンイレブンで氷結とナッツでも買って差し入れたら仙人と話せるだろうか、と妄想するが、まだそれを実行する勇気はない。

そもそも何を話せばいいのかわからない。

仙人の「部屋」はいっとき物であふれていたが、断捨離されたのか、今ではすっかりシンプルになっている。

どこで寝ているんだろう。

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亡くなったらしい、ホームレスの人

もうひとり、気になっているホームレスの人がいた。

その人は、地下鉄からJRへの連絡通路や階段の途中にいつもいた。

見た目は、もう人間であることを忘れたように全身が真っ黒で、髪もボサボサ。

限界まで使いふるした大きなぼろ雑巾のように、くたりと倒れこむように寝ている。

そばを通ると異臭がすごいので、みんな彼を避けて歩いていく。

というか、わたしも含めてみんな、彼があまりにもボロボロで、見ていられないし見たくなかったんだと思う。

わたしは出勤時にいつも彼を見かけていたので、

「あぁ、またいる……」

と毎回憂鬱な気持ちになっていた。

「こんなにもボロボロな人がいて、そのそばを毎日何万人もの人が通っているのに誰も助けない」

という考えが彼を見るたびにあたまに浮かんで、でも「助ける」ってどうやって??

といつもそこで思考が停止する。

むき出しの真っ黒な両足を見ると、

「せめてクロックスでも買ってそっとそばに置いておこうか…」

などと思ったが、結局実行にはいたらなかった。

と、そのうち、彼を見かけなくなった。

場所を変えたのか、もしかして……と思って検索してみたら、こんなブログを見つけた。

ホームレスの死|石橋法律事務所のブログ

おそらくわたしが気にしていたのと同じ人だと思われるホームレスが、内幸町のJTB近くで亡くなっていた、という内容だった。

やっぱり、クロックスあげればよかった、と思った。

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リヴァプールで見かけたホームレスと街の人たち

いま書きかけて若干放置してしまっている、『ヨーロッパ60日間旅行記』だが、この60日間のうち、リヴァプールにも行った。

それまでに行った他の国でもホームレスの人たちはたくさん見かけた。

もちろんロンドンでも。

でもリヴァプールのホームレスはなんだか他とちょっと違った。

リヴァプールのホームレスたちは、よく街の人たちと何やら楽しそうに話しているのだ。

おそらく普通に働いて、帰る家もあるであろう人たちが、道のはしっこにいるホームレスの人たちの横に同じように立ったり座ったりして談笑している光景を、何度も見かけた。

日本では、というかとりあえず東京ではなかなか見ない光景だ。

何を話しているのか、彼らがどういう関係なのか、いろいろと聞いてみたいことはあったが、わたしの英語力が壊滅的であるのと、どこまでつっこんで聞いても失礼じゃないか、などと考えているうちに彼らの横を通り過ぎ………

つまりは結局のところわたしの勇気がなくて、話を聞くにはいたらなかった。

でもなんだか、ホームレスが見放されていない感じというか、ちゃんと存在が認められているようなその感じはいいなぁと思った。

少なくとも、「自己責任」という空気はそこにはないように見えた。

『ビッグイシュー』がうまれたのはロンドンだけど、イギリスにはなんかそういう気風でもあるのだろうか?

www.bigissue.jp

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ホームレスが人ごとだと思えない

わたしはいま幸運にも、寝るところにも食べるものにも困っていない。

でもこれはただの幸運であって、ホームレスの人たちとわたしのあいだに、それ以外の大きな差があるようにはわたしには思えない。

なのでホームレスの人を見るたび、その姿は「もうひとりの私」のように感じられる。

なんとかならんか、と思う。

とは言えわたしがいましていることといえば、ビッグイシューを買うことぐらい。

ビッグイシューを売っているおじさんとなら気軽に話せる。

いつか仙人とも話せるだろうか。

もしも新橋駅前のSL広場で、ユパ様のような風体の男性と一緒に氷結を飲んでいる中年女性を見かけたらわたしなので、そのときはすみやかに向かいのセブンイレブンに行って氷結を買って、合流していただけるとさいわいです。

ホームレスの人たちでつくったサッカーチームの世界大会があって、日本チームの愛称が「野武士ジャパン」っていうのに笑いました。

文学好きっぽいホームレスの人たまに見かけますね。

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