ピースボートとは、居酒屋なんかでよく見かけるポスター、ピースボート地球一周の船旅 ていうアレですね。
こういうやつ。
ピースボートは国際交流を目的として設立された日本の非営利組織(NGO)です。
100日間で地球を一周しよう!
っていうクルーズ船を出して国際交流を深めながら、いわゆる「平和活動」をしている団体が「ピースボート」です。
ただ、ネットなどでは「ピンクボート(若者たちがセックスばっかしてんでしょ?的な意)」、「船内の食事がまずい」、「宗教の勧誘がある」などの悪評もたくさん見かけるので、乗ってみたいけど大丈夫かな…と不安になる人も多いんじゃないでしょうか。
わたしもそうでした。
なのでこの記事では、わたしが実際にピースボートに乗るまでにやった「ボランティアスタッフ」のこと、ピースボートに実際に乗ってみた感想、ピースボートに対するわたしの考えなどをぶっちゃけていこうと思います。
あくまで一個人の体験と意見として、参考にしてみてください。
そもそもピースボートってどんな団体?
まず、ピースボートのことを「グリーンピース」という他の団体と混同している人も多いみたいなんですが、無関係です。
※ちなみに「グリーンピース」は、過激な直接行動で知られる自然保護団体です。
ピースボートは、国際交流を目的として設立されたNGO(非営利組織)団体です。
地雷廃絶キャンペーン、東日本大震災の被災地への支援、ガラパゴスの森再生プロジェクト、脱原発へ向けての活動……
などなど、いろんな活動をしています。
とは言え、わたしはその実態とか実際の功績についてはよくわかりませんが。
創設メンバーの中の一人には、現・立憲民主党衆議院議員の辻元清美がいます。
辻元議員は今はピースボートの運営には関わっていませんが、創設メンバーの中にこの人がいるということも、いらぬ悪評をまねくひとつの原因なのかなぁと思います。(笑)
政治や宗教のにおいがすると、反対の立場の人は何かしら言いたがりますからねー。
わたしはこの点については特に気にせず、ただ「船旅」ということしか考えていませんでした。
わたしがピースボートに乗ったきっかけ
当時わたしは24歳。定職につかずぷらぷらしていました。
そんなある日、美容室で雑誌を読んでいたときにピースボートの広告を見かけます。
海外に行ったことがなかったわたしは、なんかおもしろそうだなーと思ってとりあえず資料を取り寄せてみました。船好きだし。
きっかけは、それだけです。
ピースボートがどういう団体なのかもよく知らず、平和活動うんぬんにもさして興味もなく。
説明会があるということで、とりあえず高田馬場にあるという事務所まで行ってみることにしました。
なにやら「ボランティアスタッフ」とかいうのに登録して、乗船前にいろいろと作業を手伝ったりすることで乗船代金が割引になるとのこと。(現金が支給されるわけではなくて、あくまで旅行代金からの割引)
この割引制度を使えば、貯金がないわたしでもなんとか行けたりすんのかなーとちょっと思いました。
そしてその日は軽い気持ちで一応登録だけして帰りました。
ピースボートで「ボランティアスタッフ」をやってみた
ボランティアスタッフというのは何をするか?というと、
- 街なかにポスターを貼る
- 事務所内での作業
- イベントの手伝い
などが主です。
作業内容と作業時間に応じて、自分の乗船代金が割引になります。
事務所内での作業とイベントの手伝いは「時給換算」で、
ポスター貼りは「何枚貼ったか」という「歩合換算」
なので、がんばり次第で一番効率よく割引にできるのは、ポスター貼りということになります。
わたしはとりあえず全部やってみました。
ポスター貼りは、3枚貼ると1000円割引。
初めてポスターを貼りに行く人にやり方を教えながら1日一緒にまわると、2人が貼ったぶんの合計枚数がそれぞれに加算される、というちょっとお得な制度もあります。
事務所内の作業やイベントの手伝いは、1時間ごとに1000円割引。
ポスターを3枚貼るのに1時間かかるということは絶対にないので、特別がんばらなくても、ふつうに貼っててもポスター貼りの方が断然効率がいいです。
募金活動は1回だけ中野駅前でやってみましたが、あまりおもしろくなかったのでやめました。
ということで、わたしが一番やったボランティア作業がポスター貼りです。
多いときだと1日で80枚くらい貼れたりして、そうすると2万6000円ほどの割引になります。
知らない駅で降りて街を歩きまわるのはおもしろかったし、効率もいいので空いた時間によくやってました。 (飛び込みの営業みたいなもんなので、店主にいきなりキツイ言葉を言われたり、ツライこともあったけど)
これをコツコツ続ければ、全額割引でいけるんじゃね⁉という考えがチラッと頭によぎりましたが、無理でした。笑
100万円割引を達成した時点で、なんか気持ちが続かなくなっちゃったんですね。
結局ピースボートに乗るのにかかった費用はどうしたか
当時の乗船代は、一番安い船底の部屋で145万円でした。
100日間の旅で、食事代混みの値段です。(現在は139万円から乗れます!)
わたしは結局そのうちの約100万円をボランティアスタッフとしての活動で割引、
残りのお金は、運よく競馬で当てた50万円で補填しました。
自分でも信じられませんでしたが、その春、わらしべ長者のように3週連続でG1レースを当てるというミラクルが起きたのでした。
※今は競馬はやめて、もっぱら競艇に励んでいます。その様子は旅打ち競艇◎目指せ24場制覇につづっているので興味のある方はぜひ~。
ピースボートのメリットとデメリット
船旅には、メリットとデメリットがあります。
わたしが実際にピースボートに乗船してみて感じた、メリットとデメリットを思いつく限りあげてみるので、参考にしてみてください。
なかには、それってピースボートに限らず船旅全般に言えることじゃない??ってのも含まれます。
まずは、悪い方からあげていきます。
ピースボートのデメリット
あくまで、わたしが乗船したときに感じたことです。現在は違っているところもあるかもしれません。
- 船の設備が古い
- 船内での通信費が高い
- 寄港地に寄るのは1日か、長くて2~3日。かなり限定的な観光になる。
- 台風などのアクシデントで、寄港地や日にちが変更になってしまうことがある
- オプショナルツアーが無駄に高い
- 平和活動について学ぼう!活動しよう!的な、意識高い系ピースボートスタッフ、および乗客がめんどくさい
- ピースボートスタッフの、トラブルに対処する能力が低い
- 寄港地で船を降りるときに混雑する
よくネットなどで言われている、「食事がまずい」ということはわたしは感じませんでした。
わたしが乗った船にはレストランが2ヶ所あり、その日の気分で好きな方に行けて、どちらのレストランも特別まずい、ということはなく普通レベルだとわたしは思いました。
でも今思うとそれも、乗船したときわたしが若かったから…??(笑)
舌の肥えた高齢者や、高いサービスを期待しすぎる人なんかはもしかしたら「まずい」と感じるのかもしれませんね。
ピースボートのメリット
ピースボートの、というか船旅そのもののメリットも多く含まれてます。
- 豪華客船にくらべたら乗船代が安い
- 乗船代が割引になるボランティアスタッフというシステムがある
- 何もしなくても勝手に次の目的地(寄港地)に着く
- 乗客は1000人くらいいて、10代~80代くらいの人までいろんな人の話が聞ける
- 船に帰ってくれば宿代やご飯代がかからない
- 外国人スタッフが多いので、話しかければ英語の勉強になる
- 途中で船を離れて何日か自由に観光し、また船に戻ってくるということも可能
- 全然興味のなかった国にも行くので、それが逆にいい
- 24時間海が見られる。たまにイルカにも出会える。星空もおそろしくきれい
- 恋がうまれる(こともある)
ピースボートに乗船するなら、自分が船内でどう過ごしたいか、ということを明確にすることが大事だと思います。
なにしろ100日間のうち、60日間くらいは船内で過ごすことになるので。
「平和活動」をスタッフと一緒にしたい人もいれば、ぐだぐだ酒飲んで海を眺めたい人、外国人スタッフに積極的にからんで英語を学ぼうとする人など、さまざまです。
どんな過ごし方であれ、「自分はこうしたい」というビジョンがあって、他の人に惑わされずにそれを実行した方が、船内での満足度は高いんじゃないかなぁと思います。
わたしは最初はそのへんがブレブレで、迷走してしまったので(笑)
ピースボートで会った記憶に残る乗客のこと
わたしが船内で出会った人たちの中で、特に記憶に残っている人たちをあげてみます。
推定70歳?のNさん
この方は船のなかで知らない人はいないような有名人でした。
きれいな白髪と特徴的なダミ声を持つ強烈なキャラクターの女性で、一度会ったら絶対に忘れません。
ひとり参加で、3回連続でピースボートに乗るというツワモノです。
わたしが見た限りでは、船に乗っていた他のどんな若者よりも自由なひとでした。
港でよく釣りをしていた姿を思い出します。
いまも元気かな……。
不登校の中学生男子と高校生女子
こんな子も乗っているんだなぁと驚きました。もちろん親のお金で乗船してるわけですね。
でもたしかに、不登校でずっと家にひきこもっているよりはいいかもしれません。お金があるなら。
かわいい子には旅をさせよとは言うものの、ピースボート地球一周の船旅 という選択はどうなのか……。
こういう子たちは、最初はその物珍しさからみんなにかまわれていましたが、すぐに飽きられてしまっていたのがちょっとかわいそうな感じではありました。
彼らももう成人してますが、何やってるのかなー。
船内でセックスざんまい!?下船後すぐに妊娠が発覚したカップル
乗船してまもなくしてから付き合いはじめ、いつも二人一緒にいた彼ら。
いつもいつも二人一緒に行動しているので、すぐに船内で有名なカップルになりました。
お互いが一番安い4人部屋にいるにもかかわらず、同室の人たちを追い出してたびたびセックスに励んでいたため、ひんしゅくを買っていた様子でした。
そして船を降りてからすぐに妊娠が発覚、結婚。
ご両親もさぞかし驚かれたことでしょう……。
風の噂では、今では3人の子供がいて仲良くやっているそうです。すごいなぁ。
ピースボートはときどき「ピンクボート」なんて揶揄されることもありますが、100日間船の中という限られた空間に一緒にいたら、そりゃあ恋が生まれたり生まれなかったり、セックスしたりしなかったりしますよね。
ちなみにわたしは乗船中には恋は生まれませんでしたが、乗船前にピースボート事務所に説明会に来ていた男性と知り合い、今も付き合っています。
自殺してしまった人たち
すごく仲がいいというわけでもなかったんですが、そこそこ交流のあった人が3人、船を降りてから数年後、自殺したという話を聞きました。
そのうちの1人は、お葬式にも行きました。
全員20代です。
自殺の原因はわかりません。ほんとになぜ………
ピースボートにもう1回乗りたいか?と聞かれたら
いまは乗りたくないです。
ひたすら海の上にいる生活というのも貴重な経験でとてもよかったですが、いまはもっと動きまわりたいですかね。体が動くうちに。
でも、歳をとって移動がダルくなったら、もう一回乗ってみるのもアリだなーと思います。
のんびり海を眺めているうちに目的地に着くってのはほんとにらくちんですし。
なにより、360度海!っていう生活はなかなかできるもんじゃないし、そのとき見た景色は今も鮮明に思い出せます。
スタッフがもうちょっとしっかりしてる人たちだったらなーとは思いますけどね。笑
💡資料請求すると、パンフレットとカタログに加えて、世界一周クルーズDVDまでついてくるみたいです。わたしのときよりずいぶん充実してますね…。
こんな本も出ていたとは。
とりあえずタイトルは、ピースボートという団体をよくあらわしてると思います。
もちろんそういうのとは無縁で、ただただ船旅を楽しんでるだけの乗客もたくさんいるし、わたしもそうでした。
近年はやはり乗客も高齢化がすすんでいるようです。
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